・自主的に動いて欲しいのに言うことを聞いてくれない
・子どもが顔色を伺ってばかりいる
・子どもの自己肯定感が低い気がする
これは子を持つ親にとっては、とても多い悩みではないでしょうか?
この悩みの多くは、子ども自身の「自己肯定感」が下がってしまっていることに原因があります。
自己肯定感が下がってしまう原因は色々ありますが、多くは親が子どもにかける言葉によるものです。
自己肯定感が親の言葉で下がってしまうもと言われても、どんな言葉をかければ良いのか分からない、、、
そこでこの記事では、言葉で子どもの自己肯定感を下げないために、使ってはいけない言葉について紹介している
『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』
という本を紹介します!
この本では、自己肯定感を「上げる言葉」と「下げる言葉」、それぞれ具体的な例が載っていてとても分かりやすく解説してあります。
この本では、次のようなことが分かります。
・どんな言葉が自己肯定感を下げてしまっているのか
・どんな言葉をかけて上げると自己肯定感が上がりやすいのか
ぜひ子供への声かけ時の参考にしてください!
呪いのことば
本書で紹介されている自己肯定感を下げる「呪いのことば(ネガティブメッセージ)」として代表的なものを3つをご紹介します。
・【早くしなさい】
・【ちゃんとしなさい】
・【勉強しなさい】
【早くしなさい】は携帯のアラームと一緒
この言葉は急いでいる時とかについ使ってしまいますよね。
実は子供と大人で感じている時間は異なります。
「人間が感じる時間の長さは年齢と反比例の関係にある」
大人に比べて、子供達の時間は何倍もゆっくり流れているという法則があり、[ジャネーの法則]と言われています。
この言葉をなぜ使ってしまうのかというと、「〇時になったら△をする」という習慣が子供にできていないからです。
ただこの「早く○○しなさい」を言い続けてしまうと、「この言葉が出るまで(アラームがなるまで)は平気」という習慣になってしまいます。
【ちゃんとしなさい】の「ちゃんと」って何?
「ちゃんと〇〇しなさい」と言ってしまった時、子供に「ちゃんとって何?」と聞かれてすぐ答えられますか?
実はこの「ちゃんと」について親自身も分かっていないことが多いです。
仕事の場面でも時折出てくる言葉ですが、曖昧で抽象的な言葉を言われた側は「?」と疑問が残ってしまいます。
またこの言葉の裏には親の勝手な希望と都合が隠れています。
この言葉はじわじわと自己否定感を植え付けてしまうため、「ちゃんと〇〇しなさい」は使わないように気をつけましょう。
【勉強しなさい】を1回言う度に、偏差値が1つ下がる
なんと、強制される勉強では学力は上がらないという意味の表現として、「【勉強しなさい】を1回言う度に、偏差値が1つ下がる」と言われているそうです。
勉強ができる子の原動力は「面白い」や「楽しい」であることが多く、親から言われなくても自分から勉強します。
感情的に「勉強しなさい」と言ってしまうと、子供の学ぶエネルギーを凍結させてしまうため、この言葉も使わないように気をつけましょう。
自分が言われたと想像してみると・・・
この3つのワードはどれも「人から言われないとやらない」という自主性を失わせる言葉です。
大人でも「〇〇しなさい」と命令されたり、強制されることはやりたくないですよね。
試しに自分が呪いの言葉をかけられたと妄想してみると
・早く料理作ってよ
・ちゃんと掃除しろよ
・普通〇〇するだろ
上から目線の命令口調でイライラしたり、カチンときたりてしまいますよね。
子供も同じように感じています。
なので是非「呪いの言葉(ネガティブメッセージ)」ではなく、「魔法の言葉(ポジティブメッセージ)」を掛けてください。
魔法のことば
ここまでに紹介したネガティブメッセージは、子どもにもパートナーにも使わないようにしたいですね。
次は自己肯定感を上げるための『魔法の言葉』を紹介しますが、注意点があります!
それは、
「魔法の言葉を使う時のポイントは、軽く・明るく・さりげなく」
ということです。
なぜかというと、わざとらしく大袈裟に言うと「何か裏があるのでは?」と警戒させてしまうためです。
なので、声をかけるときは「軽く・明るく・さりげなく」を意識してみてください!
承認のマジックワード
・すごいね
・さすがだね
・いいね
すごいね・さすがだね
勉強面で「褒める」は教師以外は使用厳禁!
100点で「すごい、さすがだね」と言った後に、60点で「すごい、さすがだね」と言っても見えすいた演技でしかない。
スポーツやクイズ、工作や行動などを褒めるために積極的に使用して欲しい。
いいね
「褒める」というよりも「認める」という意味合いが強いため、
満点でも低い点数でも「いいね」で認めるだけ。
感謝のマジックワード
・ありがとう
・嬉しい
・助かった
組み合わせるとより◎
お願い事をしてやってくれた後、
「助かった、ありがとう」「ありがとう、嬉しい」「嬉しい、ありがとう」など3つの言葉をそれぞれ組み合わせて使用すると効果的です!
「嬉しい」は勇気や優しさを褒める言葉にもなる
例えば子供がお年寄りに電車で席を譲った時、「えらかったね」や「いいことしたね」と褒めるより、「お母さん(お父さん)は、すごく嬉しかったよ」というように[アイ・メッセージ]で伝えましょう。
「えらかったね」と褒められると照れ臭いことも、「ママ嬉しかったよ」と気持ちを伝えられると「ママは何が嬉しかったんだろう?」というポジティブな想像も広がります。
感心のマジックワード
・なるほど
・知らなかった
子供は1人の人間として対等に扱われていることを意識できる
大人同士の会話では「なるほど」を相槌として使用していますよね。
子供との会話でも「なるほどね」「知らなかった」を使用することで子供自身が一人前であることを意識し始めます。
親の知らないことを知っているという優越感は自己肯定感にダイレクトに結びつきます。
どんどん使って子供達をその気にさせましょう!
子供から親に説明する機会を積極的に作ろう
「これは何?」「それってどうなってるの?」など、
ゲームでも漫画でもオモチャでも何でもいいので質問を投げかけてあげましょう!
安心のマジックワード
・大丈夫
「大丈夫」は「心配し過ぎなくてもいいんだよ」という気づきを与えてくれる言葉です。
アメリカのミシガン大学の研究によると、心配事の起こる確率は96%だそうです。
「心配事の9割は起こらない」
私たちが抱えている心配事のほとんどは、実はただの思い込みや勘違い、妄想であって、その9割は取り越し苦労に過ぎない、という結論になります。
「きっと」や「絶対」をつけてはいけない
「大丈夫」はさらりと軽く使うこと!
「絶対」をつけると重々しくなってしまい、不安になってしまいます。
試合前や発表会直前に「きっと大丈夫」と言われた場合、
「100%じゃなくて、失敗するかもしれない」
うまくいかない可能性がよぎってしまいます。
「絶対」をつけると必死さが過剰に伝わり、
「きっと」をつけると失敗の可能性を引きずってしまうことになります。
「大丈夫」と「簡単」を組み合わせると「もしかして簡単なのかも?」といういい勘違いを起こさせますよ!
指摘するマジックワード
・らしくないね
本来のあなたを認めているからこそ出てくる言葉
叱る言葉が1番難しいですよね。
繰り返し受ける叱責の言葉や否定の言葉は深い傷を残したり、不要な罪悪感を植え付ける可能性があります。
塾をサボったり、悪口を行ったり、意地悪をしたり、
などネガティブな行動をいさめる時に「〇〇らしくないね」と一声かけてみましょう。
この時、「どうしたの?」や「なぜ?」などの詮索は同時にしないように気をつけてください!
「らしくないね」といさめたあと、子供が落ち着いて、ほとぼりが冷めた頃に改めて話を聞いてみてください。
他にも筆者がママ達から相談を受けたことについて書いてある
本書に掲載している相談は全部で13件あります。
・言っても言わなくても勉強しない
・漢字ドリルを容量よく適当に書き飛ばす
・何をやっても長続きしない
など。
子育て中の親御さんであれば、一度や二度は悩んだことがある内容が書いてありました。
私自身も「あ〜、こう考えればいいのか」と参考になることが多かったです。
期待と絶望は必ずセットでやってくる
いい意味で「期待しないこと」を意識しましょう。
と言われてもなかなか難しいですよね。
期待してしまうと、期待していたことと違うことをされた時に絶望(落胆)してしまいます。
私もまだうまく出来ていませんが、いい意味で「期待しない」で頼み事などをする練習中です。
何となくですが、期待してしまっていた時より、気持ちは冷静になれる場面が増えている気がします。
魔法の言葉を自分にもかけてみよう
親の自己肯定感が上がれば子供の自己肯定感も一緒に上がっていきます。
「私なんて・・」と自己肯定感が低い親の元では、やはり子供も自己肯定感が低なってしまいます。
子供の自己肯定感を上げる最速の方法は、親の自己肯定感も上げることです!
まとめ
今回は『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』より、「呪いの言葉」と「魔法の言葉をご紹介しました。
筆者の石田勝紀(いしだかつのり)さんは学習塾や講演会、セミナー、そして「ママカフェ」という活動を通じて、たくさんの子供達への教育、ママさんたちの相談に乗ったりとしている方です。
そして本書では「呪いの言葉」と「魔法の言葉」という2種類の自己肯定感に関係する言葉が紹介されていたり、よくあるママさん達の悩み相談の解答が紹介されていたりと、子供への声掛けに参考になることがたくさん紹介されていました。
子供の自己肯定感について考えたり、子供にどんな言葉をかければ良いか知りたい方に、ぜひおすすめしたい1冊です!